今回は、公共工事などの入札工事に参加することができるまで、どんな手続きが必要なのかを解説していきたいと思います。
入札工事に参加するにはいくつかの手続きのハードルをクリアしていかなければなりません。
ハードルをクリアせずに、明日から入札参加したいと考えても、それは100%不可能です。
ハードルは『社会的信用』と『公平な審査』です。
では詳しく見ていきましょう。
建設業許可の取得
まず、第一のハードルは建設業許可の取得です。
入札工事に参加するためには建設業許可の取得が必須です。
建設業許可29業種の中で取得した業種の入札に参加できるようになるので、全ての入札工事に参加できるわけではありません。
例えると、管工事業のみ許可では管工事のみの入札にしか参加できず、解体工事や舗装工事などの入札には参加できないということです。
専任の技術者が確保されていれば複数の業種で許可を取ることも可能です。
建設業許可取得=『社会的信用』
建設業許可の取得は『社会的信用』に直結します。
〈許可要件〉
- 経営業務の管理責任者がいること
建設業の経営経験が5年以上の常勤の役員がいる - 専任の技術者がいること
営業所ごとに一定の資格や実務経験を持つ技術者を置く - 誠実性を有すること
請負契約に関し不正や不誠実な行為をするおそれがないこと - 財産的基礎を有すること
自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること - 欠格要件に該当しないこと
破産者・不正行為で許可取り消し・暴力団・刑事罰に処せられた者、などに該当しないこと
許可を取得するということは上記の厳しい要件を全て満たす必要があり、この厳しい要件を満たせるが故に『社会的信用』を得ることができるのです。
公共の入札工事は国民から集めた税金を使いインフラ整備を行っているので、工事を発注する役所としては『社会的信用』のある業者と契約を締結することで正当性を納税者に示すことができます。
経営事項審査
次のハードルは経営事項審査、通称「経審」とよばれています。
経営事項審査を受けるには建設業許可を取得していることが必須となります。
何故かというと、取得している許可の業種ごとに経営事項審査を行い、その審査結果により、その業種の入札に参加することが可能になるからです。
経営事項審査は、経営規模、工事完成高、自己資本額及び平均利益額、経営状況、技術力、社会性などを客観的に証明し『公平な審査』によって点数(総合評定値)が算出され、その点数(総合評定値)によって入札に参加できるランクが決定します。
| 等級(ランク) | 経審の点数(総合評定値) | 工事の予定金額 |
|---|---|---|
| Aランク | 950点以上 | 1億円以上 |
| Bランク | 820点以上 950点未満 | 3千5百万円以上 1億円未満 |
| Cランク | 820点未満 | 3千5百万円未満 |
上記の表は文部科学省の一式工事以外の等級表です。
経営事項審査の点数(総合評定値)が高ければ、参加できる入札の金額が上がっていく仕組みとなっています。
では、頑張って高い点数(総合評定値)を取ればいいのでは?と思うかもしれませんが、点数(総合評定値)を算出するにあたり、証明する提出書類や、計算方法が決まっていて、それによって『公平な審査』が行われ点数(総合評定値)が決定します。
大きい金額の工事を入札で受注するには、毎年の地道な経営努力によって経営規模、工事完成高、自己資本額及び平均利益額、経営状況、技術力、社会性を向上させていくしかありません。
入札参加申請
建設業許可を取得し、経営事項審査の総合評定値が手に入ったら、次は入札参加申請です。
入札に参加したい、国、県、市町村などの官公署に入札参加申請をします。
この入札参加申請は申請先によっては、申請前1年間の工事実績がなければ申請を受付けなかったりと運用の仕方に違いがあるので、必ず申請の手引きを読んだり、申請先に問い合わせをして確認するようにしましょう。
入札参加申請が認定されると、参加資格認定通知書が申請者の事務所に送付されます。
官公署によっては認定通知書の送付を行わず、申請先官公署のホームページに掲載することによって参加資格を得られます。といった運用をしているところもあるので、申請書を提出する際は認定通知書の発行の有無を確認しておきましょう。
最後に
経営事項審査、入札参加申請は建設業許可を取得していることが必須となります。
しかし、建設業許可を取得する要件はとても厳しく、資金力がある会社であれば、国家資格を有する技術者を雇用したり、経営業務の管理責任者として認められる者を常勤の役員として迎え入れれば、建設業許可取得のハードルは下がりますが、ほとんどの会社はそういった手は使えません。
また、せっかく苦労して経営経験を5年以上やっているという事実があっても、それを証明する書類が存在してなければ、許可を取ることができません。
今はまだ起業して間もない会社だけど、ゆくゆくは大きい工事を請負いたい!入札工事に参加していきたい!といったビジョンをお持ちの方は、早めに専門家に相談することをお勧めします。



