
産業廃棄物収集運業許可を新規で受ける場合や許可を維持していくには廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定められている欠格者に該当していないことが要件となります。欠格要件に該当してしまうと新規許可を受けられなかったり、許可を取り消されてしまいます。
《他の要件》
産業廃棄物収集運搬業許可 要件(収集運搬施設があること)
《産業廃棄物収集運搬業とは》
産業廃棄物収集運搬業許可
欠格要件の対象者
欠格要件は許可を取得・維持していくための制度だと思いがちですが、産業廃棄物処理に関わる事業を行う人が適正に事業運営をすることができるか判断する為というのが制度趣旨です。なので全ての人が対象となってるものではなく特定の者が対象となり、産業廃棄物処理業の事業運営を適切に行えないと客観的に判断された場合は許可の取得・維持ができなくなってしまいます。
対象者
- 法人(会社そのもの)
- 役員(代表取締役・取締役・執行役員)
- 5%以上の株主・相談役・顧問
- 個人事業主
- 政令使用人(支店長・工場長など)
- 法定代理人
上記の者が欠格要件に該当してしまうと許可を受けられなくなります。また、普通に雇われている従業員やパート・アルバイトなどは対象外となりますので、許可申請前に役員等に欠格要件に該当する者がいた場合は役員を退任していただき許可申請をするというのも1つの手です。
欠格要件の内容
◇廃棄物処理法第7条第5項4号に定める欠格要件
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの
- 産業廃棄物処理法、浄化槽法、その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるものに違反し、罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
【生活環境の保全を目的とする法令】
大気汚染防止法・海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律・水質汚濁防止法・騒音規制法・ダイオキシン類対策特別措置法・振動規制法・特定有害廃棄物等の輸出入等にに関する法律・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法・悪臭防止法 - 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
【刑法】
第204条(傷害罪)・第206条(現場助勢罪)・第208条(暴行罪)・第208条の2(凶器準備集合及び終結罪)・第222条(脅迫罪)・第247条(背任罪) - 次の許可を取り消され、その取消の日から5年を経過しない者及び取消の処分に係る行政手続法第15条の規定による通知があった日からその処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に事業の廃止の届出をした者で、当該届出の日から5年を経過しない者
【取り消された許可】
産業廃棄物収集運搬・処分業の許可・(特別管理産業廃棄物収集運搬・処分業の許可を含む)・浄化槽法による許可 - その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足る相当の理由がある者
◇廃棄物処理法第14条第5項2号に定める欠格要件
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が、上記(暴力団員に関する規定)又は廃棄物処理法第7条第5項4号に定める規定のいずれかに該当するもの
- 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに上記(暴力団員に関する規定)又は廃棄物処理法第7条第5項4号に定める規定のいずれかに該当する者のあるもの
- 個人で政令で定める使用人のうちに上記(暴力団員に関する規定)又は廃棄物処理法第7条第5項4号に定める規定のいずれかに該当する者のあるもの
- 暴力団員等がその事業活動を支配するもの
まとめ
他にも注意しなければならないのは、産業廃棄物処理法は禁固以上の刑に処せられた場合、欠格要件に該当すると規定されています。
なので飲酒運転・酒気帯び運転また極度のスピード超過で速度違反を犯した場合なども欠格要件に該当する可能性が充分にあり得ます。
また、先日知り合いの建設業者(建設業許可あり・産業廃棄物収集運搬業許可あり)の社長さんが、「今は、自分の置き場で型枠材を一斗缶で燃やして暖まってるだけで産業廃棄物収集運搬業許可の取消になるぞ!」と言っていました。確かに型枠材は20種の産業廃棄物の中の木くずに該当します。産業廃棄物収集運搬業許可業者が適正処分してないことになります。
もし欠格要件に該当してしまったら2週間以内に許可行政庁にその旨を届出ましょう。
この記事を見て私は大丈夫!と思ったかたが大半だとは思いますが、欠格要件の対象者が法人の場合は自分以外の役員であったり、5%以上の株主でであったりと、組織が大きくなれば対象者も増えていくので、再度各々が経営をしている側だという認識をして適法に事業を継続していただければと思います。
余談ですが禁固刑以上と言われても禁固刑がどの位置なのか分からないですよね?
懲役⇦禁固⇦罰金⇦拘留⇦科料 左に向かって罪が重くなります。
ちょうえき⇦きんこ⇦ばっきん⇦こうりゅう⇦かりょう
ちょきんばこか(貯金箱か!)の語呂合わせで覚えましょう!
産業廃棄物収集運搬業許可を取得したい!欠格要件の判断がつけられない!などという方は当事務所にご相談ください。
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