産業廃棄物収集運搬業許可

産業廃棄物収集運搬業許可要件の1つに収集運搬施設があることを要します。
運搬業なので、運搬車両・運搬船・運搬容器・駐車場など運搬施設を有していることが求められます。
また、運搬車両・駐車場・運搬容器などは、所有又は賃借・リースなど使用権限を有しているかも求められます。
では詳しく見ていきましょう。



《他の要件》
産業廃棄物収集運搬業許可 要件(欠格)

《産業廃棄物収集運搬業とは》
産業廃棄物収集運搬業許可 

運搬車両

運搬車両は運搬する産業廃棄物の外観形状(固形状・液状・泥状・紛粒状)によって使用できる車両の種類が違ってきます。例えばダンプ車に液状の産業廃棄物を積載して運搬してしまうと、運搬中に液体を道路にバラまきながら走ることになってしまうので、性状に適した運搬車両で運搬しなければなりません。

性状別の運搬車両

固形状液状泥状紛粒状
➀ダンプ車⑦吸引車⑦吸引車⑨バルク車
②脱着装置付きコンテナ⑧タンクローリー➀ダンプ車⑦吸引車
③コンテナ水平脱着ボディ車
④積荷移動装置付運搬車
⑤平ボディ車
⑥バン型車

※申請時は車両の写真と自動車検査記録事項の写しが必要になります。有効期限の確認必須。


運搬容器

運搬容器に関しては基本的に「廃棄物が飛散、流出しない、及び悪臭の漏れるおそれの無いもの」でなけばなりません。
例えば石綿(アスベスト)入りのがれき類をダンプ車で運搬する場合などは、そのまま積んで運搬してしまうと石綿が飛散してしまうので、フレキシブルコンテナ(トンパック)に廃棄物を入れてダンプ車に積み、荷台での転倒や移動防止措置をして運搬することになります。

保管・運搬に用いられる主な容器

市販用機廃棄物専用容器
ドラム缶  普通缶
      (オープン缶・クローズ缶)
傾倒方式用コンテナ
(運搬車両:傾倒装置付機械式ごみ収集車)
ドラム缶  複合缶
      (ケミ缶)(オープン缶・クローズ缶)
脱着装置付きコンテナ専用車用コンテナ
(運搬車両:②脱着装置付きコンテナ専用車)
ドラム缶  プラスチックドラム缶
      (オープン缶・クローズ缶)
圧縮装置付きコンテナ
(運搬車両:②脱着装置付きコンテナ専用車)
石油缶(金属板性18L缶、ペール缶)水平脱着付ボディ車用コンテナ
(運搬車両:③コンテナ水平脱着ボディ車)
プラスチック容器吊り下げ方式用コンテナ
(運搬車両:クレーン付ダンプ車)
フレキシブルコンテナ荷役機械用コンテナ
(運搬車両:➀ダンプ車、⑤平ボディ車等)
感染性廃棄物容器
(運搬車両:⑥バン型車、保冷車等)
PCB廃棄物運搬容器
(運搬車両:貨物自動車、コンテナ車)

※申請時は運搬容器の仕様書又は写真、運搬する廃棄物によっては運搬容器の構造図、写真及び運搬容器が所要の検査に合格したことを示す書類が必要になります。


運搬車両の所有者と使用者

運搬車両の使用権限は「使用者」=「所有者」=「申請者」である場合の他に「使用者」=「申請者」も場合のみ使用権限が認められます。「使用者」と「所有者」の確認は自動車検査記録事項に記載されています。

「使用者」=「所有者」=「申請者」の場合は自動車検査記録事項の使用者・所有者そして産業廃棄物収集運搬業許可申請者の名前がすべて同一になります。

「使用者」=「申請者」の場合はリース契約を意味しています。自動車検査記録事項の所有者蘭がリース会社名義となり使用者欄はリースしてる人の名義(産業廃棄物収集運搬業許可申請者の名前)になります。
申請者が所有権を有しない場合には、使用する権限を有することを証明する書類(リース契約書、場合によっては産業廃棄物収集運搬車両としての使用承諾書)の提出を求められます。
また「使用者」=「申請者」のケースは県に確認した限りではリース契約以外は使用権限が認められません。との回答でした。(一部他県で認められるところもあるみたいです)なので個人間や元請会社からの賃貸借契約及び、使用貸借契約では使用権限が認められないということに注意しましょう。

例外
例外的に2つほど使用権限が認められるケースがありますのでご紹介します。

<1> 使用者が申請者でない場合であっても、申請者が法人で、使用者が法人の代表者、役員又は使用人であり、                        かつ、当該車両を専ら法人が使用することが明らかな場合。
 ※上記の内容が確認できる書類を添付すること

<2> 運搬車両とその使用者を併せて雇車・雇用する場合。
 ※雇用保険被保険者証の写しを添付すること
 ※用保険被保険に加入できない等の理由がある場合は、雇用契約書、雇用通知書等の雇用関係が確認できる書類を添付させ申請者の業務にのみ従事することを確認すること


駐車場・事務所及び事業場 & まとめ

駐車場に関しては車庫の配置図及び付近の見取り図の提出を求められます。

収集運搬業務を行う事務所及び事業場の付近の見取り図の添付を求められます。

まとめ
車両に関しては既に他の許可業者が届け出て使用している運搬車両は認めないものとする。としながらも、産業廃棄物収集運搬業と特別管理産業廃棄物収集運搬業とで使用する運搬車両が重複しても構わないが、産業廃棄物と特別管理産業廃棄物とを混合して運搬してはならない。となっているので許可業者間での車両の重複は認めないが、同じ会社であれば産業廃棄物収集運搬業と特別管理産業廃棄物収集運搬業とで使用する運搬車両が重複してもOKってことになります。
掘り下げていけばもっと細かい話しになってしまうので大まかな説明のみになってしまいましたが、産業廃棄物に適した運搬車両・運搬容器とその収集運搬施設の使用権限がとても重要です。
産業廃棄物収集運搬業許可を受けて事業を行いたいという方や、産業廃棄物収集運搬許可を受けたいけど要件を満たしているか分からないなどという方は当事務所にご相談ください!

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